韓国には徴兵制度があるため、韓国人男性にとって避けて通れないのが兵役です。

韓国と北朝鮮との戦争は終戦しておらず、今は休戦しているに過ぎません。

いつ戦争が再開されるかわからない状態のため、今なお韓国人男性には兵役の義務があるんです。

私の韓国人の友達もみんな軍隊での兵役の経験があります。

軍隊とは無縁の私にとっては、友達の話はとても興味深くて、驚きの連続でした。

今回は、韓国人男性の兵役で軍隊に入る年齢やその期間、兵役が免除される条件についてまとめてみました。

韓国人男性の兵役で軍隊に入る年齢は何歳から?

韓国人男性は満19歳で徴兵検査を受け、満20歳から28歳までに軍隊に入る必要があります

※以前の兵役の年齢制限は満30歳でしたが、現在は満28歳になっています。

年齢が20歳か21歳のときに入隊が多い

一般的な韓国人男性は、大学を休学して20歳か21歳のときに軍隊に入ります。

  1. 大学に入学
  2. 大学を休学
  3. 兵役(20歳・21歳)
  4. 大学に復学

 

社会人になってから軍隊に入隊することはほとんどありません

儒教の教えの影響が強く、年齢による上下関係が強い韓国ですが、兵役中の軍隊では年齢が関係なく、階級(入隊順)が上下関係を左右します。

そのため、「軍隊に入って、階級が上の年下から指示されたくない」という理由から、若いうちに軍隊に入隊する人が多くいます。
 

兵役があるため、韓国人男性は大学を卒業するのが25歳ぐらいになります。

アイドルが兵役で軍隊に入る年齢

韓国のアイドルなどの芸能人は、年齢制限ギリギリで兵役を迎えることがよくあります。

一般的な韓国人男性が軍隊に入る20歳前半と年齢制限ギリギリの28歳では、体力的に差が出ると思いますが、韓国のアイドルは肉体を鍛えに鍛えているので、そういったことはなさそうですね。

韓国人男性が海外留学するタイミング

私は海外滞在中に多くの韓国人の友達ができましたが、韓国人男性が海外留学をする場合は兵役を終えてから海外に来ていることがほとんど。

友達の多くは韓国での兵役を終えて、気分が晴れ晴れしていたので、みんな海外生活を楽しんでいました。

兵役前の友達が1人だけいましたが、その友達はみんなから兵役中の話を聞かされて不安にさせられたり、「帰国したら次は兵役があるぞ」と脅されていたりしました・・・。
 

海外留学をするとその期間にもよりますが、韓国人男性は26歳ぐらいに大学を卒業することになります。
 

ちなみに兵役を終えておらず、満25歳以上の韓国人男性は、兵務庁の許可なく海外に行くことができません。
 

韓国人男性が兵役で軍隊に入る期間はどれぐらい?

韓国人男性にとっての兵役は辛い試練ですが、中でも気になるのが兵役で軍隊に入る期間です。

兵役の期間は所属する場所(陸軍・海軍・空軍)によって異なります。
 

それぞれの期間(2020年現在)をご紹介しますね。

  • 陸軍:18ヶ月
  • 海軍:20ヶ月
  • 空軍:22ヶ月

 

この兵役の期間は以前と比べると短くなっています。

例えば、陸軍の場合は30ヶ月(1990年)→24ヶ月(2004年)→21ヶ月(2015年)→18ヶ月(2020年)という感じで、ここ30年で12ヶ月も兵役の期間が短くなっています。

兵役中の新兵訓練と所属部隊

兵役中の所属先は特別な希望を出さなければ、陸軍になります。

新兵訓練

陸軍に入ってから5週間の新兵訓練があります。

この基礎訓練が兵役中に最も過酷で、社会との関係は一切遮断され、食事時間や入浴も制限されます。

以前よりはましになりましたが訓練中は体罰もあり、過去にはそれに反発して手榴弾で宿営地を爆破するという事件も起きました。

所属部隊

厳しい新兵訓練を乗り越えると、各部隊に配属されます。

自分で所属する部隊は選べず、コンピューターによって無作為に選ばることに。

部隊と言ってもすべてが、直接的に戦争に関わる内容だけではなく、軍隊に入っているみんなの料理を作ったり、物資を運んだりする運転手の仕事もあります。
 

兵役中に軍隊の偉い人の秘書をしていた友達がいるのですが、その友達は「僕の仕事は毎日コーヒーを入れるだけで楽だったよ」と話していました。

「毎日毎日、軍隊で料理を作っていたから料理が得意になって、韓国料理のお店で働いている」という友達もいます。

特別な海兵隊

たくさんある陸軍の部隊の中で、最も過酷なのが海兵隊です。

海兵隊の新兵訓練は7週間(通常は5週間)で、その後の訓練も厳しく、上下関係も徹底されています。

しかも海兵隊は「自分から海兵隊に入りたい」と希望する志願兵

ただでさえ、過酷な軍隊なのに、その中でも過酷な海兵隊を希望するなんて、よほどの勇気の持ち主ですよね。

そのため、兵役が終わってからも海兵隊同士のつながりは深く、他の韓国人男子からは「男の中の男」として、一目置かれる存在になります。
 

2011年に「韓流スターのヒョンビンが海兵隊に入隊した」と話題になったこともあります。

その他にも有名な韓流スターやアイドルなどの芸能人が海兵隊を志願するニュースもときどき聞きますよね。
 

私の友達にも海兵隊出身者がいるのですが、「自分は海兵隊だった」という誇りを持っていて、「同じ海兵隊出身の人たちとの絆がとても強い」と言っていました。
 

韓国で兵役を免除される条件

韓国の徴兵制度では「韓国人の男性全員が絶対に徴兵される」というわけではなく、満19歳で受けた徴兵検査の結果次第で兵役が免除されることがあります。

兵役を免除されるのは、軍隊で仕事をするのができないほどの病気、身体や心に障害がある人です。

極端に低い身長や肥満の場合も兵役が免除されることも。
 

他にオリンピックの金銀銅メダルやアジア大会の金メダルの獲得、ワールドカップ(サッカー)やWBC(野球)で一定以上の成績を残すと兵役の免除の恩恵を受けられます。
 

宗教上の理由で兵役を拒否できる「宗教的信仰などによる兵役拒否者」というものもあります。

実際に兵役が免除になるのは全体の5%ぐらいなんだそうです。
 

私の友達はかなり視力が悪く(メガネをかければ問題ない状態)、兵役で軍隊に行く代わりに郵便局で2年間の仕事をしていました。

ただ、その友達は「昔は私の視力の悪さだったら軍隊に行くことが免除されたけど、今だったら制度が変わって免除されない」とも話しています。

韓国の兵役では軍隊に入る期間は短くなる傾向にありますが、免除される条件は厳しくなる傾向になります。

韓国人男性にとっての兵役とは?

いくら以前と比べると兵役で軍隊に入っている期間が短くなったとは言え、韓国人男性にとって兵役とは辛く長いものです。

ただ、もし可能なら兵役は避けないと思いながらも、何らかの事情で兵役が免除される、または軍隊の代わりに他の仕事をすることになったとしたら、韓国社会では少し生きづらくなります。

兵役を終えた韓国人男性にとって、軍隊での生活はとてつもなく大きな経験です。

そのため、会社の人と飲みに行ったり、友達と集まったりすると必ずと言っていいほど軍隊の話が出ます

その中で、自分だけが軍隊に行っていないと「みんな軍隊で長い期間、苦労したのに自分はその経験をしてない」と後ろめたさを感じるようになります。

さらに兵役を終えた人からは、「あいつは軍隊に行っていないから」と言われてしまうことも。
 

兵役中に軍隊に行かずに他の仕事をしていた友達は軍隊の話が出るたびにみんなの話についていけず、「僕は軍隊に行っていないから」といつも肩身が狭い思いをしていました。
 

韓国人男性にとって兵役とは、「本音を言うと行きたくないけど、行かなければ男としての価値が下がる」と思っています。

兵役で軍隊にいるときの連絡方法や休暇

現在では兵役で軍隊にいるときでも電話やインターネットで、家族や恋人と連絡がとれます。

以前は電話のみ、さらに以前は手紙のみのやり取りしかできませんでしたが、インターネットが使えれば、兵役中と言ってもかなり気持ちが楽になりますよね。
 

休暇は1ヶ月に10日ぐらいあり、数ヶ月に1度は2日~3日ぐらいの帰省も許可されています。

帰省するときでも軍服を着用することが義務付けられているため、街の中を兵役中の男性が軍服姿で恋人と歩いている光景を見ることができます。

彼氏が兵役の間に破局してしまうカップルが多いという悲しい現実もあります・・・。

兵役を終えたあと

兵役で軍隊にいるときの髪型は坊主のため、髪の毛が伸びるまでは坊主を隠すために帽子(キャップ)をかぶる人もいます。

韓国人男性って日本人男性と比べると筋肉がついていて体格がいいイメージがありますよね。

兵役の期間中は軍隊で徹底的にしごかれるため、どんな男性でもしっかりした体格になります。

しかし、韓国人男性はお酒を飲むのが大好きなため、せっかく軍隊で鍛えた身体も立派なお腹に変わってしまうことも。
 

私の友達たちも年齢が上がるにつれて、ほとんどの人が体重が増えています。

 
 

今回は、韓国人男性の兵役で軍隊に入る年齢や期間、兵役が免除される条件についてお伝えしました。