難しそうに見える韓国語ですが、ハングル(韓国語の文字)は、一定の法則に従って構成されています。文法は日本語と似ていますので、日本人にとって理解しやすい言語です。韓国旅行や韓流ドラマをもっと楽しみたい方に「ハングル(韓国語の基礎知識)」をお伝えします。

ハングルは文字

韓国語のことをハングルと言うことがありますが、これは間違いです。ハングルはあくまでも文字であり、言語の種類ではありません。日本だとひらがなやカタカナ、英語だとアルファベットと同じ扱いです。

記号のようなハングル

日本人にとってはパズルのように見えるハングル。文字ではなく記号にしか見えません。ただ、法則がわかると思ったよりも簡単に読めるようになります。

日本ではアルファベットが街に溢れていますが、韓国では日本に比べるとアルファベットが少なく、ハングが大半です。

韓国だから当然と言えば当然ですが、ハングルが読めない人にとっては、完全に異国の地です。韓国では、漢字や英語の表記が少ないため、外国人には敷居の高い国と言えます。

世界でも珍しいハングル

ハングルは世界的に見ても珍しい人によって作られた文字です。

どの国の言葉も元を辿れば人が作ったので人工文字と言えばそうなのですが、漢字を含めてほとんどの文字が自然に形成されていきました。

このハングルは計画的に作られた文字という意味で珍しい文字なのです。

ハングルの歴史

李氏朝鮮(りしちょうせん、1392年~1910年)時代の韓国では、知識人が漢字を使っていました。

しかし、大衆は漢字がわからないために、知識人と大衆が区別なく使える文字として、第4代国王の世宗(セジョン)が臣下の学者に命じて作らせ、1446年にハングルが公布されました。この世宗(セジョン)は現在の1万ウォンの肖像となっています。

ハングルが交付されたばかりのころ、知識人の間では不評でした。中国文化圏の優等生である朝鮮王朝では漢字こそが正統な文字。それに比べるとハングルは誰にでも読めるので、軽んじられていました。

そのため、19世紀末まで王朝の公式文書は全て漢字。その後、日本統治時代を経て、ハングル一色になったのです。