韓国ではみんなどんなところに住んでいるのでしょうか?
韓国の住居は日本と似ているようで違うところもあります。
今回は、現代における韓国の住居の特徴や日本との違いについてお伝えしますね。
韓国の住居事情
少し古いデータですが、アメリカのフォーブスが2010年1月14日に発表した「人口密度の高い都市トップ20」で、韓国のソウルは6位でした(ちなみに東京は圏外、1位はインドのムンバイです)
さらに韓国では全人口(約5,000万人)のうち約1,000万人がソウルに住んでいると言われています。
そのため、現代のソウルでの住居は日本の東京の23区のように一戸建ては少なく、多くの人が集合住宅に住んでいます。
逆にソウル以外では、一戸建てや伝統的な韓屋(ハノク)が多く見られます。
韓国の住居の特徴
ここでは韓国、特にソウルの住居の特徴を6つに分けてお伝えします。
- オンドル(床暖房)がある
- バスタブがない
- 廊下がない
- 部屋のようなベランダ
- キムチ専用の冷蔵庫がある
- トイレットペーパーが流せない(ところもある)
※お伝えする内容は、すべての住居に当てはまるわけではありません。
オンドル(床暖房)がある
韓国のソウルは日本の東北地方と同じ緯度なため、冬の寒い日だとマイナス10度以上になることもあります。
そのため、オンドルという床暖房があり、家全体を暖めてくれます。
昔のオンドルは、台所の煮炊きで使う薪の煙を石造りの床下に巡らせて、部屋を暖める仕組みになっていました。
韓国の伝統的な住居は、台所が一段低いところにあり、家の反対側に煙突があったんですよ。
この方法だと暖房用の材料を必要としませんので経済的ですが、一酸化炭素中毒を起こしてしまう可能性が高いため、現代ではガスや電気を使うようになっています。
オンドルについて詳しくはこちらのページをご覧ください。
日本の北海道や東北では韓国のオンドルのように家全体が暖かい家が多いのですが、それ以外の地域では、部屋の中は暖かくても廊下やトイレは暖房が効かないため、冬は寒いですよね。
ソウル出身の友達が冬の名古屋に遊びに来たとき、寒がって部屋から一歩も出たがらず、「日本の冬は家の中が寒い」と言っていました。
バスタブがない
韓国では日本のようにバスタブに入る習慣がなく、シャワーで髪の毛や身体を洗うだけのため、浴室にはバスタブがない家が多いです。
日ごろはシャワーを浴びるだけでも、ときどき日本のスーパー銭湯のようなチムチルバンに行ってのんびりします。
韓国の浴室は、シャワー、洗面台、トイレが一緒になっているため、狭い浴室だとシャワーを浴びたときに洗面台やトイレ、下手をするとトイレットペーパーまで濡れてしまうことがあります。
廊下がない
韓国の住居(主にアパート)は、玄関を開けるとリビングがあり、リビングからそれぞれの部屋に行けるようになっています。
日本人はいくら家族と言っても個人のプライベートを重視する傾向がありますが、韓国では家族の一体感が強く、多くのことを共有する傾向にあります。
「韓国では、玄関を入ったら、まずはリビングで家族が顔を合わせて会話をして、それからそれぞれの部屋に行くようになっている」と韓国人の友達が話していました。
部屋のようなベランダ
これも主に韓国のアパートのことになりますが、リビングと小さな部屋がガラスの窓で仕切られていて、その部屋に洗濯物を干したりします。
ベランダを観葉植物を置いたりして、おしゃれな部屋にしていることもあります。
韓国のベランダは日本のベランダのように外に出ておらず、あくまでも家の中にある部屋という感じになっています。
キムチ専用の冷蔵庫がある
韓国の家庭にはキムチ専用の冷蔵庫があります。
韓国人にとってキムチはなくてはならない食べ物のため、大量に家に置いておきたいということと、キムチはニオイが強いため他の食材と分けたいということが主な理由です。
以前は冬に1年分のキムチを家族や親族で手作りしていたため、これらのキムチを保管する冷蔵庫が必要だったということもあります。
ただ、近年ではキムチをお店で買っている家庭が多いです。
トイレットペーパーが流せない(ところもある)
古いアパートではトイレットペーパーを流すと詰まってしまうので、便器の横にあるゴミ箱に使用済みのトイレットペーパーを捨てるようになっています。
新しいアパートではトイレットペーパーを流しても問題ないところも多くありますが、今までの習慣が抜けないお年寄りのためにゴミ箱を設置することもあります。
韓国の住居の種類
ここでは韓国の住居の種類を6つご紹介します。
- アパート
- ヴィラ
- ワンルーム・オフィステル
- 一戸建て
- 韓屋
- 半地下
アパート
韓国のアパートは日本のタワーマンションに似ていて、特にソウルでは団地のように同じ形をしたアパートが並んでいることがよくあります。
韓国ではこのアパートが人気の住居です。
財閥系の建設会社もアパートを建設していて、憧れの高級ブランドになっています。
ちなみに私が韓国人の友達から聞いた財閥の建設会社とブランドはこちらです。
- サムスン物産:レミアン
- 現代建設:ヒルステート
- ポスコ建設:The Sharp(ザ・シャープ)
- GS建設:Xi(ジャイ)
韓国では財閥の力が強いということがアパートにも現れていますね。
ヴィラ
韓国では、日本の5階建てぐらいまでの低層マンションのことをヴィラといいます。
一般的なヴィラは、アパートよりも価格が低いのですが、ソウルの江南(カンナム)エリアには高級ヴィラも多くあります。
一戸建て
人口密度が高く土地の価格が高いということもありますが、ソウルでは一戸建てを見かけることは少ないです。
韓国、特にソウルでは一戸建てと比べるとアパートの方が駅に近い場所にあったり、セキュリティがしっかりしていたりするので、アパートを好む人が多くいます。
あとアパートは投資にもなりますので、ソウルでは日本人のように「いつかは一戸建てを持つ」という考えもあまり持っていないようです。
一戸建ては一部のお金持ちが持っているようなイメージですね。
韓屋
韓屋(ハノク)とは、韓国の伝統的な住居です。
現代ではあえて韓屋を建てるということはありませんが、ソウルでは現存している韓屋をリニューアルし、韓国の伝統的な住居が体験できることをアピールしているゲストハウスになっているところもあります。
郊外に行くとまだ韓屋を見かけることがあります。
特にソウルからKTX(韓国高速鉄道)で約1時間半の距離にある全州韓屋村(チョンジュハノクマウル)には、多くの(約700軒)の韓屋が集まる観光地として有名です。
半地下
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」で一気に注目を浴びた韓国の半地下。
半地下とはその名の通り、半分が地下に埋まっていて、半分が地上に出ている部屋です。
窓があっても地上すれすれにあることが多いので、道路に面している部屋だと窓も空けられません。
もともと半地下は朝鮮戦争が終わったあとに万が一のために防空壕として作られたという経緯があります。
その後、リフォームして住居として使っていますが、半地下には以下のような問題があります。
- 湿気が多い
- 換気ができない
- 暗い
半地下は環境がよくないため不動産の物件として一番安くなりますが、近年では設備を充実させ、オフィスやおしゃれなカフェになったりしています。
気軽に引越しをする韓国人
日本人と比べると韓国人の方が引越しを気軽にします。
韓国人の友達に聞くと「今よりもいい環境の住まいが見つければ、引越しをしようと思っているよ」といった具合です。
韓国、特にソウルでは一戸建てではなく、アパートやヴィラに住む人が多いので、引越ししやすいということもあります。
不動産価格が高騰する江南(カンナム)エリア
韓国では不動産投資の人気が高いです。
全人口(約5,000万人)のうち約1,000万人がソウルに住み、その周辺にも多くの人が住んでいます。
そのため、韓国では不動産価格がとても高く、ソウルを南北に分けている川、漢江(ハンガン)の南側の江南(カンナム)は高級住宅街になっていて、不動産価格が高騰しています。
高級住宅街の江南(カンナム)に住むということは、韓国人にとって1つのステイタスになんです。
今回は韓国の住居の特徴や日本との違いについてお伝えしました。
韓国の住居には主に6つの特徴があります。
- オンドル(床暖房)がある
- バスタブがない
- 廊下がない
- 部屋のようなベランダ
- キムチ専用の冷蔵庫がある
- トイレットペーパーが流せない(ところもある)
大きく分けて6種類の住居が韓国にはあります。
- アパート
- ヴィラ
- ワンルーム・オフィステル
- 一戸建て
- 韓屋
- 半地下
韓国の住居を知ると実際に韓国に住むときだけではなく、韓流ドラマや映画を見るときにもより理解が深まりますよ。