ドラマや映画を見ていてわかる通り、韓国では上下関係がとても厳しいです。

日本でも学校や会社で上下関係はありますが、韓国では上下関係が徹底されていますので、何も知らずに韓国に行くと非常識と思われかねません。

今回は韓国で上下関係が厳しい理由や年上へのマナーをまとめました。

韓国で上下関係が厳しい理由は儒教があるから?

「韓国は儒教の国」とよく言われます。

儒教とは、孔子(紀元前6世紀)の思想が元になっている教えのこと。

そのため、儒教は宗教というよりも、あくまでも「教え(考え方)」なんですよ。

その儒教の教えが韓国では、昔から受け継がられてきているため、韓国人の考え方や行動は儒教に基づいていることが多いんです。
 

代表的なのが、韓国では上下関係が厳しいということです。

儒教では年長者や社会的地位の高い人、お年寄りを敬うことが大切とされています。

日本でもその傾向がありますが、韓国では徹底されています。

自分よりも1歳でも年上であれば先輩として敬語を使い、1歳でも年下であれば後輩として上から目線で接することもよくあります。

韓国では友達というのは同じ年齢の人に対して使うのみで、それ以外は先輩(お兄さん)、後輩(弟)という間柄になるんです。

ただ、外国人に対してはここまで徹底しておらず、日本人の私に対しては年上や年下に関わらず、フランクに接してくれる韓国人の友達が多くいます。
 

韓国語で年下や年上の呼び方はこちらを参考にしてください。


 

韓国では儒教の教えに従って、親をとても大切にします。

親に逆らうことは絶対にダメで、特に男性は何歳になってもお母さんの意見を尊重しすぎて、息子がマザコン(韓国ではママボーイといいます)になってしまうことも。
 

韓国人男性のマザコンについてはこちらを見てくださいね。

 

親の死に目に会えない、あるいは親よりも先に死ぬということは韓国では最大の不徳とされています。

反対に親孝行な子供に対しては、社会は賛辞を惜しみません。

日本では仕事を優先して親の死に目に会えなかったということがありますが、韓国人にとっては信じられないことです。
 

初対面で年齢を確認する

日本では初対面のときに、年齢を聞くことってあまりありませんよね。

欧米では何事も年齢によって左右されないため、年齢を直接聞くことはまずありません。
 

韓国では年齢が上下関係を決定付ける大事な要素のため、初対面でも年齢を確認します。

初対面のため、最初は敬語で話していたのに、年齢確認で相手が年下だと知った途端に、「な~んだ年下だったのか」と急に態度が大きくなることもあります。

年長者や社会的地位の高い人に対するマナー

年長者や社会的地位の高い人、いわゆる目上の人に対するマナーはより厳しくなっています。

ここでは目上の人に対するマナーをご紹介します。

  • 食事のマナー
  • お酒のマナー
  • タバコのマナー
  • 態度のマナー

食事のマナー

韓国人は、会食の席では家の主人や目上の人が食べ始めたら、自分も箸をつけます。

家に招かれたときには、料理を作ってくれた人(通常は奥さん)にお礼を言ってから箸をつけ、必ず最初にキムチを食べて、味をほめます。

韓国では、多くの家庭ではキムチを家族で作っていて、味には自身があるので、褒められるととても嬉しいんですよ。

お酒のマナー

ソジュ
 

韓国人は、目上の人、年長者の前では乾杯のときには目上の人よりも少し下げてグラスを合わせます。

お酌をされたら両手で受け、飲むときは相手の視線を避け、横向きになって目立たないように飲まなければいけません。

タバコのマナー

韓国人は、目上の人の前ではタバコは吸ってはいけません。

どうしても吸いたいときには許可を得てから吸います。

女性がタバコを吸うのは好ましくない韓国。

ましてや人前で吸うのは恥ずかしいことなので、どうしても吸いたい人は人目を忍んで吸います。

韓国人の若い女性が道端でタバコを吸っていたら、通りかかった見ず知らずのお年寄りに説教されるという光景は珍しくありません。

態度のマナー

目上の人といるときに気をつけなければいけないマナーです。
 

  • 腕組みをしない。
  • ほおづえをしない。
  • あくびをしない。
  • 大声を出さない。
  • 注意や叱責をされたら素直に聞く。
  • 上司に意見を述べる時には細心の注意をもって、丁寧に意見を述べる。

 

お年寄りに対する考え方やマナー

ここではお年寄りに対する韓国人の考えやマナーについてお伝えします。

考え方

学校の先輩、先生、上司など自分よりも年上、目上の人が存在しますが、その中でも一番偉いのはお年寄りです。

お年寄りと一緒にいるときにはタバコ、お酒、服装などルールを守らなければいけません。

若い人の身なりや態度がきちんとしていないと、見ず知らずのお年寄りに説教をされることもあります。
 

韓国では、電車やバスでお年寄りがいるにもかかわらず、若い人が席に座っているなんて言語道断。

もしその状況でお年寄りを無視したら、アジュマ(韓国のおばさん)から「ちょっと、そこのあなた!この方に席を代わりなさい」と注意を受けるかもしれません。

マナー

お年寄りに対してはしっかりと下記のようなマナーを守らなければいけません。
 

  • お年寄りより楽な姿勢をとらない。
  • お年寄りに背を向けない。
  • お年寄りの言葉は絶対。反論はだめ。
  • お年寄りには親切にする。
  • お年寄りを心配させたり、不安にする言動、行動はとらない。

 

このように若い人がお年寄りに気を使う韓国なのですが、私がソウルで電車のきっぷを買おうと列に並んでいたときに、お年寄りが強引に割り込みをしてきました。

「なんてマナーの悪い人なんだろう」と私は思いましたが、韓国人の友達は「確かにマナーは悪いけど、お年寄りだから仕方がない」と言っていたんです。

韓国では、お年寄りを大切にし過ぎるあまり、このようにお年寄りのマナーが悪くなってしまうこともあります。
 
 
 

今回は韓国で上下関係が厳しい理由や年上へのマナーについてお伝えしました。

今の日本では、昔に比べるとお年寄りを敬う気持ちが薄らいできているように思います。

韓国でも経済発展に伴って、目上の人を敬うことが少なくなっていて、お年寄りを敬う気持ちや権威が下がり始めています。

日本と同じで、核家族化が進んでいることも関係があるかもしれませんね。